弁護士の角谷(カドヤ)です。
今年4月13日に東京地方裁判所で、アパートの借主から家賃保証会社への損害賠償が認められる判決が出ました。
借主は、病気で仕事を辞めて収入がなかったために家賃を滞納していたのですが、家賃保証会社はどうしても追い出したかったようで、借主がいないときに鍵を取り換えて閉めだした上に借主の家財道具を処分してしまったようです。
結果として55万円の損害賠償の支払が命じられ、家財道具の処分については「刑事事件の窃盗や器物損壊の罪に当たる行為だ」と判決で断罪されています。
過去に大阪でも、退去を強行にせまる大家さんが鍵を勝手に取り換えて入れないようにしてしまったことで慰謝料などを請求され、判決で入居者に数十万円を支払うようにと言われてしまった例があります。
家賃滞納は、家主さんからすれば本来得られる賃料が得られないだけでなく、退去してくれないと次の借主を探すこともできないので大損害です。
また、話し合いでどうにもならない場合に法律上の手続を踏むには、訴訟・執行などでさらに時間と費用がかさむことになります。
しかし、簡単に・安く解決するために強引になってしまうと手痛いしっぺ返しを受けることにもなりかねません。
上記の例は極端ですが、例えば、借主さんと何カ月も連絡がとれず、郵便受けの郵便物もそのまま、部屋に家具は残されているがどうやら夜逃げして行方不明なんじゃないか、という場合はどうしたらよいのでしょうか。
「もう戻ってこないだろうから次の人を募集しよう」、と大家さんが部屋の中の物を処分してしまった後に、借主さんが「急病でしばらく入院していました。」と戻ってきたら・・・。
そこには思わぬ落とし穴があるやもしれません。
相手が悪いと分かっているときでも、何か事を起こすときは法律上の落とし穴にはまらないように、冷静に、慎重に対応しましょう!
私、角谷は不動産会社の勤務経験があり、不動産案件を得意としておりますので、もし、「このケースはどうなるの?」といった個別のご相談があれば気軽にご連絡下さい。

